よくある質問(FAQ)
パニック障害に関してよく寄せられる質問をまとめました。治療方針は医師によって異なる場合があるため、必ず主治医にご相談ください。
Q1. パニック発作が起きたとき、どう対処すればいいですか?
A. パニック発作は通常10〜20分でピークを迎え、その後徐々に治まります。以下の対処法を試してみてください:
- 深呼吸をする:ゆっくりと鼻から4秒吸って、口から6秒かけて吐く
- 「これは発作で、必ず治まる」と自分に言い聞かせる:死ぬことはないと理解する
- 安全な場所に移動する:座れる場所や落ち着ける空間へ
- 五感を使って現実に戻る:周りの音を数える、触れるものの感触を確かめるなど
- 頓服薬がある場合は服用する:医師から処方されている場合
※発作中に無理に動こうとせず、安全を最優先にしてください。
Q2. 薬は一生飲み続けないといけないのですか?
A. 必ずしも一生飲み続ける必要はありません。多くの場合、症状が安定すれば医師の指導のもと徐々に減薬・中止していきます。
一般的な治療の流れ:
- 症状が落ち着くまで服薬継続(数ヶ月〜1年程度)
- 安定期に入ったら維持療法(6ヶ月〜1年程度)
- 再発リスクを見ながら徐々に減薬
注意:自己判断で急に薬を止めると離脱症状や再発のリスクがあります。必ず医師と相談してください。
Q3. 仕事や学校に行けなくなってしまいました。どうすればいいですか?
A. まずは無理をせず、休養を最優先にしてください。症状が重い場合は、以下の選択肢があります:
- 診断書をもらう:医師に相談し、必要なら休職・休学の診断書を取得
- 傷病手当金:会社員の場合、健康保険から給与の約3分の2が支給される制度
- 段階的な復帰:時短勤務や軽減業務から始めるなど、職場と相談
- リワークプログラム:復職支援プログラムを提供している施設もある
焦る気持ちはわかりますが、回復を優先することが長期的には最善の選択です。
Q4. 電車やバスに乗れません。どう克服すればいいですか?
A. これは広場恐怖の典型的な症状です。認知行動療法の「段階的曝露療法」が有効です:
- ステップ1:駅のホームまで行く(乗らない)
- ステップ2:一駅だけ乗ってみる
- ステップ3:空いている時間帯に数駅乗る
- ステップ4:少しずつ距離と混雑度を上げる
ポイントは「できないこと」ではなく「できたこと」に注目すること。少しでも進めたら自分を褒めてあげてください。信頼できる人と一緒に練習するのも効果的です。
Q5. 家族や友人にどう説明すればいいですか?
A. パニック障害は目に見えない病気のため、理解されにくいことがあります。以下のような説明が有効です:
- 「脳の誤作動で、危険がないのに警報が鳴ってしまう病気」
- 「気持ちの問題ではなく、治療が必要な病気」
- 「突然、息ができなくなったり心臓がバクバクする発作が起きる」
理解してもらえないこともありますが、それはあなたのせいではありません。理解者が一人でもいれば大きな支えになります。医療機関や患者会で同じ経験をした人と話すのも助けになります。
Q6. 治療費が心配です。自立支援制度とは何ですか?
A. 自立支援医療制度を利用すると、精神科の通院医療費の自己負担が3割→1割に軽減されます。
- 診察費、薬代、デイケアなどが対象
- 世帯の所得に応じて月額上限額が設定される
- 申請は市区町村の窓口で(医師の診断書が必要)
Q7. 完治するまでどのくらいかかりますか?
A. 個人差が大きいため一概には言えませんが、適切な治療を受ければ多くの人が改善します。
- 発作の頻度減少:数週間〜数ヶ月
- 予期不安の軽減:数ヶ月〜半年
- 日常生活の回復:半年〜1年以上
「完治」よりも「症状とうまく付き合いながら普通の生活を送れる」状態を目指すことが現実的です。良くなったり悪くなったりする波があるのは普通のことです。
Q8. 再発が怖いです。予防するにはどうすればいいですか?
A. 再発予防には以下のことが重要です:
- 薬の自己中断をしない:症状が良くなっても医師の指示通りに継続
- 規則正しい生活:睡眠、食事、運動のリズムを整える
- ストレス管理:無理をしすぎない、休息を取る
- カフェイン・アルコールの制限:刺激物は発作の引き金になる
- 定期的な通院:症状が落ち着いても経過観察は続ける
再発は失敗ではありません。早めに対処すれば大事には至らないことがほとんどです。
Q9. カウンセリングは必要ですか?
A. 必須ではありませんが、薬物療法と併用すると効果が高まります。
カウンセリング(認知行動療法)で得られる効果:
- 不安や恐怖に対する考え方を変える
- 回避していた状況に段階的に慣れる
- ストレス対処法を学ぶ
- 再発予防のスキルを身につける
保険適用で受けられる認知行動療法もあります。主治医に相談してみてください。
Q10. セカンドオピニオンは受けるべきですか?
A. 以下のような場合は、セカンドオピニオンを検討しても良いでしょう:
- 数ヶ月治療しても全く改善しない
- 薬の副作用がひどく、相談しても対応してもらえない
- 医師とのコミュニケーションがうまくいかない
- 診断や治療方針に疑問がある
ただし、医師を変えればすぐに良くなるわけではありません。治療には時間がかかることを理解した上で、信頼できる医師を見つけることが大切です。