01 健康保険
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休むと決めたとき、まず気になるのは「この先のお金はどうなるの?」ということかもしれません。傷病手当金は、働けない間の暮らしを支えるための制度です。条件と手順を知っておけば、体調を優先しながら、落ち着いて準備できます。
会社などで加入する健康保険の制度で、健康保険法で決められています。仕事とは関係のない病気やけがで仕事を休み、その間の給与が受けられないときに支給されます。
加入している健康保険(保険者)は、勤務先によって違います。申請書の様式や出し方、問い合わせ先は、保険証や資格確認書に書かれている保険者の案内を確認してください。
パニック症などのこころの病気で休むときも、医師が「仕事に就けない」と判断していれば対象になります。
自営業やフリーランスの方などが加入する国民健康保険では、傷病手当金がないことが多いです。国民健康保険の方は、お住まいの市区町村の窓口に確認してください。
次の4つをすべて満たすと、支給の対象になります。
| 条件 | ポイント |
|---|---|
| 仕事が原因ではない病気・けがの療養のために休んでいる | 医師の指示による療養であれば、入院でも通院でもかまいません。仕事中や通勤中のけがは、労災保険の対象になります |
| 仕事に就けない状態である | それまでしていた仕事ができない状態をいいます。医師の意見と、仕事の内容などをもとに判断されます |
| 連続する3日間を含み、4日以上休んでいる | 最初の連続3日間(待期)のあと、4日目から支給されます |
| 休んだ期間に給与が出ていない | 給与が出ていても、傷病手当金より少なければ差額が支給されます |
最初の3日間(待期)には、有給休暇や土日・祝日も含まれます。ただし、2日休んで3日目に出勤した場合は、待期は成立しません。申請するときは、待期の3日間も含めた期間を書きます。
短い時間でも働いた日は、その日は支給の対象になりません。有給休暇を使った日など、給与の全部または一部が出た日は、傷病手当金の日額と比べて、少ないときだけ差額が支給されます。
1日あたりの金額は、次の計算で決まります。
支給が始まる日の属する月以前の、直近の続いた12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2
標準報酬月額は、毎月の給与(額面)をもとに、区切りのよい金額に当てはめたものです。自分の金額は、勤務先の担当者に聞くと教えてもらえます。
| 標準報酬月額の平均 | 1日あたり(目安) | 30日休んだとき(目安) |
|---|---|---|
| 20万円 | 約4,450円 | 約13万円 |
| 30万円 | 約6,670円 | 約20万円 |
| 40万円 | 約8,890円 | 約27万円 |
おおまかに、ふだんの給与の3分の2くらいと考えておくとイメージしやすいです。
加入期間が12か月に満たない場合は、次のうち低いほうをもとに計算します。
全加入者の平均にあたる額は、加入先によって違います。端数の扱いもふくめ、くわしくは加入先の健康保険に確認してください。
同じ病気・けがについて、支給が始まった日から通算して1年6か月までです。
在職中に仕事に復帰するなどして支給されない期間があった場合、その分は数えず、1年6か月を超えても繰り越して支給されます。たとえば、休職と復職をくり返した場合でも、受け取った日数の合計が1年6か月分になるまでもらえます(2022年1月から、この「通算」の考え方になりました)。
申請書には、自分・医師・会社の3者が記入します。おおまかな流れは次のとおりです。
一度にまとめて申請することもできますが、会社の証明が必要なため、1か月ごと(給与の締め日ごと)に申請することが多いです。休職が続くあいだは、この流れをくり返します。
場合によっては、ほかの書類の添付を求められることがあります。申請書の記入例とあわせて、加入先の案内を確認してください。
退職したあとも、次の4つをすべて満たしていれば、傷病手当金を受け取り続けられます。
| 条件 | ポイント |
|---|---|
| 退職日まで、続けて1年以上、健康保険に加入している | 国民健康保険・任意継続に入っていた期間、家族の扶養に入っていた期間、共済組合の組合員だった期間は数えません |
| 退職日に、傷病手当金を受けている(または受けられる状態である) | 休んでいて給与が出ているため、まだ支給されていない場合も含みます |
| 退職したあとも、同じ病気・けがで働けない状態が続いている | 病名が違っていても、症状や原因が同じものは同じ病気として扱われます |
| 支給が始まった日から通算して1年6か月以内である | 在職中に受け取った期間も含めて数えます |
退職日に半日でも働くと、退職後の分は受け取れなくなります。あいさつや荷物の片づけで出社する場合も、出勤扱いにならないよう、会社と相談してください。
在職中と違って、退職後は途切れ途切れに受け取ることはできません。一度働ける状態になったあとに、再び働けなくなっても支給されません。
退職後の健康保険の選び方は、国民健康保険と社会保険の保険料の差を計算しておくにまとめています。
受け取る権利は、2年で時効になります。2年は、働けなかった日ごとに、その翌日から数えます。あとからでも申請できますが、古い日の分から順に申請できなくなるので、早めの申請が安心です。
わからないことを窓口に聞くのは、まったく恥ずかしいことではありません。制度は「知っている人だけのもの」ではなく、必要な人が使うためにあります。
身近にパニック症で悩んでいる方がいたら、そっと教えてあげてください。