【認知・思考】

パニック特有の「3つの恐怖」

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パニック症の苦しさは、発作そのものだけではありません。発作をきっかけに生まれる「3つの恐怖」を知ることが、悪循環から抜け出す第一歩です。

発作は「体験しうる最悪の気分」

パニック発作を経験した方の多くが、「このまま死んでしまう」と本気で感じたと話します。それほど強烈な恐怖でありながら、はっきりした原因が見当たらないため、「自分はどうなってしまったのか」という混乱がさらに恐怖を強めます。

この体験をきっかけに、パニック症では次の3つの恐怖が生まれやすくなります。

1. 症状の「意味」への恐怖

発作中の身体の感覚を、「とても悪いことが起きているサイン」と受け取ってしまう恐怖です。

  • 「心臓が止まって死んでしまう」
  • 「気が狂ってしまう」
  • 「コントロールを失って、とんでもないことをしてしまう」

どんな意味づけをするかは人それぞれですが、共通するのは身体の感覚を破局的に解釈してしまうことです。

2. 誤った結びつけによる恐怖

発作が起きたときにしていたことや、いた場所が「発作の原因だ」と思い込んでしまう恐怖です。

  • 高速道路を運転しているときに発作が起きた → 「高速道路が危ない」
  • 人混みで発作が起きた → 「人の多い場所に行くと発作が起きる」

実際には、その場所や行動が発作を起こしたわけではありません。それでもこの結びつけによって、その場所や行動を避けるようになり(回避)、行動範囲がだんだん狭くなっていきます。

3. 「また起こる」ことへの恐怖(予期不安)

「また発作が起きたらどうしよう」と、発作そのものを恐れるようになることです。これを予期不安と呼びます。

予期不安は、実際に発作が起きていない時間にもずっと続き、日常生活を大きく制限します。そして皮肉なことに、この恐れが新たな発作を呼び込む原因にもなります(「恐怖への恐怖」という悪循環)。

自分の恐怖を見つめてみる

3つの恐怖のうち、どれが自分にとって一番大きいでしょうか。

  • 発作中、どんなことが起きると思って怖くなりますか?
  • 避けるようになった場所や行動はありますか?
  • 「また起きたら」と考える時間は、一日のうちどれくらいありますか?

書き出してみると、自分の恐怖のパターンが見えてきます。これは治療を進めるうえでも役立つ情報です。

まとめ

  • パニック症では「症状の意味への恐怖」「誤った結びつけによる恐怖」「予期不安」の3つが生まれやすくなります
  • 誤った結びつけは回避を、予期不安は新たな発作を招きやすくします
  • 自分の恐怖のパターンを知ることが、悪循環を断ち切る出発点になります

参考資料

  • ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』

ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。

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