【認知・思考】
「恐怖への恐怖」という悪循環
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発作を恐れるほど身体の変化に敏感になり、かえって発作が起きやすくなる。パニック症の中心にある「恐怖への恐怖」の仕組みと、抜け出すための考え方を解説します。
恐れることで、恐れていたことが起きる
パニック症の治療で大切な目標の一つが、「恐怖への恐怖」(予期不安)を変えていくことです。
発作を恐れていると、「発作の前触れがないか」と自分の身体をいつも注意深く見張るようになります。すると、普段なら気にも留めないような小さな感覚にも気づいてしまいます。
悪循環の流れ
- 「また発作が起きたらどうしよう」と恐れる
- 身体の変化を見張るようになる(予期警戒)
- 少しの動悸や息苦しさに気づく
- 「発作が始まるサインだ!」と解釈する
- その解釈で不安が強まり、動悸がさらに増す
- 本当に発作が起きてしまう → 1に戻る
このように、恐れることがかえって発作を呼び込む「自己達成的予言」になってしまうのです。
回避もまた、恐怖を育てる
発作を恐れるあまり、発作が起きそうな場所や状況を避けることも増えていきます。避けているうちは一時的に安心できますが、
- 「避けたから無事だった」という思い込みが強まる
- 「やっぱりあそこは危ない」という恐怖が残り続ける
- 避ける場所が少しずつ増え、生活が狭くなる
という形で、長い目で見ると恐怖を育ててしまいます。
悪循環を断ち切るには
恐れと回避がパニック症の人の考え方や行動を支配してしまいがちですが、治療によって身体感覚の受け止め方や、考え方そのものを変えていくことができます。
- 感覚を「ただの感覚」として受け止める:動悸は動悸であって、危険のサインではありません(「感情はただの感情である」という捉え方)
- 注意を身体から外にも向ける:身体を見張り続ける状態から抜け出す練習(気づきを伴うマインドフルネス)
- 専門家と一緒に少しずつ向き合う:避けている状況に段階的に慣れていく方法(認知行動療法(CBT)で何をするのか?)
まとめ
- 発作を恐れるほど身体の変化に敏感になり、それが発作を呼び込む悪循環を生みます
- 回避は一時的に楽になっても、長い目で見ると恐怖を強めます
- 身体感覚の受け止め方を変えることで、この悪循環は断ち切ることができます
参考資料
- ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』
ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。
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- ・パニック特有の「3つの恐怖」
- ・「恐怖への恐怖」という悪循環
- ・「感情はただの感情である」という捉え方
- ・「曖昧さへの不耐性」と隠れた怒り