【認知・思考】
「曖昧さへの不耐性」と隠れた怒り
最終更新:
「白黒はっきりさせないと落ち着かない」「理由のわからない不安がある」。不安の裏側にある、曖昧さが苦手な心理と、気づかれにくい怒りの感情について解説します。
曖昧な状態に耐えるのが苦手
心配が続きやすい人、特に全般不安症(GAD)の方には、はっきりしない状態(曖昧さ)に耐えるのが苦手という特徴がよく見られます。
健康への心配
わずかな身体の不調が気になりだすと、「何の病気だろう」という考えが頭から離れず、はっきりした診断が出るまで落ち着けません。
人間関係への影響
恋人や友人との関係で、返信が遅い、相手の態度がいつもと少し違うといった「よくわからない状態」に耐えられず、すぐに白黒をつけようとして、かえって関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。
この傾向は性格だけの問題ではなく、脳の働き方といった身体的な要因も関係していると考えられています。「自分の性格が悪いからだ」と責める必要はありません。
曖昧さとつきあう練習
- 「今はわからない」と言葉にする:「今は答えが出ない状態だ」と認めるだけで、少し距離がとれます
- すぐに確かめない:検索する、何度も確認する、相手に問い詰める前に、少し時間を置いてみましょう
- 「わからないまま」でも過ごせた経験を重ねる:曖昧な状態でも大丈夫だったという体験が、耐える力を育てます
不安の裏に隠れた「怒り」
慢性的な不安と、表に出ない怒りは深く結びついていることがあります。怒りを感じてはいけない、怒りを表してはいけないと思っていると、その感情が行き場を失い、不安という形で現れることがあるのです。
大切なのは、怒りを感じても、それを相手にぶつけたり、口に出したりする必要は必ずしもないと知ることです。怒りに気づくことと、怒りを行動に移すことは別のことです。
隠れた怒りに気づくワーク
- 質問に答える:強い不安を感じたとき、「もし自分が怒っているとしたら、何に対して怒っているのだろう?」と考え、思いつくことを短く箇条書きにします
- 扱い方を選ぶ:書いたリストは、カウンセリングで話し合ってもいいですし、誰にも見せずにそのまま捨ててもかまいません
「もし〜としたら」という仮定の形で考えるのがポイントです。「自分は怒っている」と決めつけずに済むので、冷静に自分の気持ちを眺めることができます。
このワークを通じて、不安の裏に隠れていた心の問題に気づけることがあります。
まとめ
- 曖昧な状態に耐えるのが苦手だと、心配が止まらなくなりやすくなります
- 「今はわからない」と認め、すぐに白黒をつけない練習が役立ちます
- 不安の裏に怒りが隠れていることもあります。怒りに気づくことと、ぶつけることは別のことです
参考資料
- ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』
ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。
【認知・思考】のページ
- ・パニック特有の「3つの恐怖」
- ・「恐怖への恐怖」という悪循環
- ・「感情はただの感情である」という捉え方
- ・「曖昧さへの不耐性」と隠れた怒り