【脳と身体】
不安を作り出す「脳の不均衡」とは?
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不安は「気の持ちよう」だけで決まるものではありません。脳の中で情報を伝える神経伝達物質のバランスと、不安との関係を解説します。
脳のメッセンジャー「神経伝達物質」
脳の神経細胞どうしは、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を使って情報をやりとりしています。いわば「脳のメッセンジャー」です。不安に関係が深いものとして、次のような物質が知られています。
| 神経伝達物質 | 主な働き |
|---|---|
| セロトニン | 気分や不安を安定させる |
| ノルアドレナリン(ノルエピネフリン) | 覚醒・緊張を高め、危険に備える(心拍数の上昇など) |
| GABA(ギャバ) | 神経の興奮を鎮めるブレーキ役 |
バランスが崩れると何が起きるか
これらの物質がちょうどよいバランスで働いているとき、私たちは落ち着いて考え、行動し、身体も安定しています。ところが、どれかが働きすぎたり、足りなかったり、バランスを失ったりすると、心の不調が生じやすくなります。
不安症の場合、次のような形で現れます。
- 身体の過覚醒:ドキドキする、そわそわする、眠れない(または逆に、ぐったりと無気力になる)
- 考え方の偏り:「最悪のことが起きるに違いない」と考えてしまう
- 回避:不安な場面を避けるようになる
「意志が弱い」からではない
不安が止まらないのは、性格や意志の弱さのせいではなく、脳の働きのバランスが関係していることが多いのです。そう知るだけでも、自分を責める気持ちが少し軽くなるかもしれません。
治療でバランスは整えられる
脳のバランスは、治療によって整えていくことができます。
- お薬:神経伝達物質の働きを調整し、発作の強さや回数を減らします(第一選択薬 SSRI・SNRI)
- 心理療法:考え方や行動を変える練習をくり返すことで、脳の働き方そのものが変わっていくことがわかっています(前頭前皮質を鍛えて脳を変える)
まとめ
- 不安には、セロトニン・ノルアドレナリン・GABAなどの神経伝達物質のバランスが関わっています
- 不安が続くのは意志の弱さではなく、脳の働きの問題であることが多いです
- お薬と心理療法の両方から、バランスを整えていくことができます
参考資料
- ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』
ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。
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