【メカニズム】
パニック発作はなぜ突然起きるのか?
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はっきりした原因が見当たらないのに、突然強い恐怖に襲われるパニック発作。その背景にある「脳の警報システムの誤作動」と、本人が気づきにくいきっかけについて解説します。
理由のない恐怖だからこそ、怖くなる
もし目の前に危険な人物が現れたら、誰でも心臓がバクバクし、息が荒くなり、汗が噴き出すでしょう。これは身体が危険に備えるための正常な反応です。このとき私たちは「怖い理由」がわかっているので、危険が去れば恐怖もおさまり、あとから「なぜあんなに怖かったのか」と悩むことはありません。
パニック発作では、これとほぼ同じ身体の反応が、危険がまったくない場面で突然起こります。理由がわからないために「死んでしまうのでは」「おかしくなってしまうのでは」という恐怖がさらに強まり、症状がいっそう激しく感じられるのです。
脳の「警報システム」の誤作動
私たちの脳には、危険を察知して身体に「逃げろ・戦え」と指令を出す警報システムがあります。扁桃体(へんとうたい)をはじめとする脳の奥の部分がその中心と考えられています。
パニック発作は、この警報が本当は危険がないのに鳴ってしまう状態だと理解されています。
- 警報が誤って鳴ると、心拍数の上昇、息苦しさ、発汗、震えなどが一気に起こります
- 発作そのものは通常10分ほどでピークに達し、時間とともにおさまっていきます
- 治療を受けないと誤作動がくり返されることがありますが、治療によって発作の回数を減らしたり、起こらない状態を目指したりすることができます
本人が気づきにくい「きっかけ」
「何の前触れもなく起きた」と感じる発作にも、本人が自覚していないきっかけが隠れていることがあります。
- 身体の感覚:少しの動悸、暑さ、疲れ、カフェインによる鼓動の変化など、身体の内側の小さな変化
- 過去の体験:以前に発作が起きた場所や状況、似た雰囲気、昔のつらい体験の記憶
- 生活の背景:慢性的なストレス、睡眠不足、生活環境の大きな変化
こうしたきっかけは、記録をつけたり専門家と振り返ったりすることで見えてくることがあります(認知行動療法(CBT)で何をするのか?)。
身体の病気が隠れていないかも確認を
パニック発作に似た症状は、心臓や甲状腺など身体の病気でも起こることがあります。初めて症状が出たときは、まず身体の検査を受けておくと安心です。詳しくはパニック症状と間違えやすい身体の病気をご覧ください。
まとめ
- パニック発作は、危険がないのに脳の警報が鳴ってしまう「誤作動」と考えられています
- 発作はつらいものですが、それ自体で命を落とすものではありません
- 自覚しにくいきっかけがあることも多く、治療によって改善が期待できます
参考資料
- ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』
ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。
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