【薬物治療】
減薬・服薬中断の注意点
最終更新:
「そろそろお薬をやめたい」と思ったときに知っておきたいこと。パニック症のお薬は、急にやめずに数か月かけてゆっくり減らすことが大切です。その理由と進め方を解説します。
良くなってからの「やめ方」が大切
症状が落ち着いてくると、「もうお薬はいらないのでは」と感じるのは自然なことです。しかし、パニック症はお薬だけで治療した場合、お薬をやめたあとに再発することが少なくない病気とされています。
だからこそ、いつ、どのようにやめるかがとても大切です。
自己判断で急にやめてはいけない理由
1. 離脱症状・中断症候群が起こる
お薬を急にやめると、身体がその変化についていけず、次のような症状が出ることがあります。
- めまい、ふらつき、吐き気
- インフルエンザのようなだるさ
- イライラ、不安、不眠
- 電気が走るような感覚
特に、体内から早く抜けるタイプのお薬(パロキセチンやアルプラゾラムなど)で起こりやすいとされています。
2. 離脱症状が再発の引き金になる
離脱症状の動悸や不安を「発作が戻ってきた」と感じてしまい、それが本当にパニックの再発につながることがあります。
3. 身体の反動が起こるお薬もある
β遮断薬やα2作動薬は、急にやめると脈拍や血圧が跳ね上がることがあります(ノルエピネフリンを抑えるお薬)。
減らし方の基本
- 症状が安定してからも、しばらく続ける:良くなってすぐではなく、安定した状態がある程度続いてから減らし始めるのが一般的です。時期は主治医と相談して決めます
- 2〜6か月ほどかけて、とてもゆっくり減らす:少しずつ量を減らし、身体を慣らしながら進めます
- 一度に複数のお薬を減らさない:どのお薬の影響かがわからなくなるため、一つずつ進めます
- 調子を崩したら、ペースを戻してよい:減らす途中で症状が出たら、無理をせず主治医に伝えて調整してもらいましょう
再発を防ぐために
- 心理療法を組み合わせる:認知行動療法(CBT)で身につけた考え方や対処法は、お薬をやめたあとも支えになります
- セルフケアを続ける:腹式呼吸やマインドフルネス、生活習慣の見直しを習慣にしておきましょう
- 再発のサインを知っておく:予期不安が増える、避ける場所が増えてきたなどの変化に気づいたら、早めに相談しましょう
「やめたい」と思ったら
お薬をやめたい理由(副作用がつらい、妊娠を考えている、ずっと飲み続けるのが不安など)を、正直に主治医に伝えてください。理由に合わせて、減らし方や代わりの方法を一緒に考えてもらえます。
まとめ
- パニック症はお薬だけで治療した場合、やめたあとに再発することが少なくありません
- 急にやめると離脱症状が起こり、それが再発の引き金になることがあります
- 医師と相談しながら、数か月かけてゆっくり減らし、心理療法やセルフケアも続けましょう
参考資料
- ・ M・ヴェーレンバーグ、S・M・プリンツ 著/貝谷久宣、福井至、不安・抑うつ臨床研究会 監訳『不安な脳 ― 不安障害を効果的に治療するための神経生物学的基礎』
ご注意:このページは一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になるときや、お薬・治療について判断が必要なときは、必ず医師にご相談ください。
【薬物治療】のページ
- ・第一選択薬 SSRI・SNRI
- ・ベンゾジアゼピン系抗不安薬
- ・ノルエピネフリンを抑えるお薬(β遮断薬・α2作動薬)
- ・減薬・服薬中断の注意点